3D撮像、レーザー、フィッシュ・ライス(Fish Lice)

The high concentration of salmon raised in cages in fish farms leads to populations of sea lice that can not only injure the salmon, but also become a significant problem for wild salmon in the area who swim past the farms.

フナムシは水産養殖産業が直面する最大の課題と考えられています。 毎年、何百万ドル相当の資金がフナムシ撲滅に投入されています。 従来的には、フナムシは化学物質や製薬を用いて制御されてきましたが、ここ数年、あまり物議を醸し出さないような代替処置の開発努力が行われています。

より生態的に優しいサケの害虫駆除システムが、最近、 Stingray Marine Solutions (ノルウェーのオスロ)によって開発されました。 フィッシュペンに沈められると、Stingrayシステムが Mestec (ノルウェー・オスロ)が推奨するステレオビジョンシステムを駆使し、魚の3D画像を撮影し、続いて、カスタムビルトの撮像処理ソフトウェアが外側のフナムシの所在を特定します。 結果、レーザーが装置から照射され、魚からフナムシが除去されます。

 水中へ

Stingrayシステム自体は内蔵のブイ、そしてアクティブのStingrayノードが取り付けられるケーブルから成り、水中の特定の深度にまでノードを下げることができます。 パワーと通信が第2の重強化ケーブルを通じてシステムに供給され、同時に、システムを魚を収容するケージ全体の希望の場所に移動させることができます。 Stingrayノードのスラスタはその軸を中心に装置を回転させることができ、魚の回遊パターンとの関連でノードをペン内に最適配置することが可能です。
フィッシュペン内に配置されると、Stingrayノードに取り付けられた12の青色のLEDがシステム前面の1平方メートルの水域を照らします。 FLIR GS3-U3-50S5M-C Grasshopper カメラ(Sony 5 Mpixel ICX625 CCDセンサーが相互に水平配置)が、続いて、装置を泳いで過ぎてゆく魚の画像を15フレーム/秒で撮影します。 2つの画像を比較することで、それぞれの魚の相対深度情報を取得できます。
魚は瞬時に移動し、短時間に比較的長距離を動くことができることから、Stingrayシステムから照射されるレーザービームの精度が極めて高いことを確保することが重要です。
「水中の魚に付着するフナムシの位置を正確に特定するために、カメラは素早い連続動作でそれぞれの魚の2枚の画像を撮影します。 3D画像は、その後、CPUによって処理されますが、CPUは魚に付着したフナムシがわずか数ミリ秒後に移動すると考えられる座標を予知することのできるにあたっての速度ベクトルを算出します」と、MestecのマネージングディレクターのSteinar Laudalは言います。 
CPU上で作動するカスタムビルトの画像処理ソフトウェアは、3D画像のコントラストが眼などの敏感な部位の存在を示唆する魚の正確な座標を算定します。 ソフトウェアがサケの眼を特定すると、非照射部位としてフラグされ、眼がレーザー光によって損傷を被ることのないよう保護されます。
画像処理ソフトウェアがサケに付着したフナムシを特定すると、Stingrayシステムが魚の移動する速度と方向を基にフナムシの考えられる位置を予測します。 続いて、CPUが寄生生物の正確な位置で強力なレーザーから光のパルスを照射すべく配向されるガルボミラー(galvo-mirror)システムに対して命令を送ります。 そして、レーザーが十分な強度の光のパルスを、十分な期間、フナムシを抹殺する寄生生物の方向に照射します。 魚がフナムシを付着した状態でシステムを通り過ぎる場合、システムは瞬時に特定して1秒間に数匹の割合で駆逐するだけのスピードを備えています。

ヘルスの監視

Stingrayシステムの開発者がシステムの有効性を監視することができるよう、2つ目のFLIRカメラが開発されています。 FLIR FL3-U3-13S2C-CS Flea3 USB3 Vision カメラ(120フレーム/秒のフレームレートで作動するSony IMX035 1.3メガピクセルのカラーセンサー搭載)がStingrayシステムによってフナムシ駆除される魚の画像を撮影します。 
そうした画像を記録しておくことで、Stingrayシステムの開発者はシステム上で作動する撮像および制御ソフトウェアの有効性を評価し、必要に応じ、性能強化を目的とする改良を行うことができます。 また、カメラによって撮影された画像は、サケの養殖人がケージ内の魚の行動や健康状態を監視するのにも使用可能です。
MestecのLaudalによれば、いくつかのStingrayシステムはすでに、サケの養殖場におけるフナムシの大群の縮減にあたって高い効果が実証されたノルウェーで効果が実証されてきたとのことです。 現在、Stingray Marine Solutionsはノルウェー全土で30以上のStingrayを展開していて、世界中の顧客からの増大する需要を満たすべく、年間100機以上のシステム増産を計画しています。

Stingray Marine Solutions概要

Stingray Marine Solutions ASは、2010年より、企業家であるEsben Beck氏の特許保護されたアイデアを基盤に、カメラビジョンとレーザーによるフナムシ除去に取り組んでいます。
全ては1999年に彼の地下室で始まりました。 石油、ガス、オフショアの顧客の需要に10年以上にわたって応えてきた後、自社製品への投資が自然の流れとして始まりました。 Beck Engineeringは自社施設での、そして自社リソースを駆使した自社のフナムシ・プロジェクトの設置と開発、ソフトウェアの設計、生産、開発、試験や設置導入の実施を行ってきました。
Stingray Marine Solutions ASはBeck Engineeringの子会社で、2013年以降、すでに様々なソースから顕著な評価を獲得しているプロジェクトの開発に引き続き取り組んでゆくことになります。 当社は評価に値するよう励み、既存および将来の顧客から革新的な製品に対する満足を得ることができるよう取り組んでいます。

Mestec AS概要

Mestec ASはノルウェーの研究開発や工業向けのレーザー、電子光学サービスおよび関連計器のサプライヤーです。