Sony Pregius® S グローバルシャッター機能搭載 CMOS センサー
さらに小さく、より高性能に
グローバルシャッター機能搭載 CMOS センサー、ソニー Pregius シリーズは、鮮明で歪みのない画像の撮影を可能にします。これまでのコンパクトな性能を継承しつつ、センサーの常識を覆す第4世代のPregius Sが登場しました。Pregius Sは、バックサイド照明付き(BSI)センサー設計を使用して、画素サイズを縮小し、解像度を向上させながら、量子効率(QE)と感度を向上させています。
図1 BSIセンサーは従来の前面照射型センサー設計とは逆に、各ピクセルの感光性フォトダイオードに光子を入射しやすいように設計されています。
初回ラインアップ
Pregius S センサーの初回ラインアップは 2020 年の第 2 四半期以降に発売が予定されており、以下のモデルが含まれます。
- IMX540 24.5 MP (15 fps) グローバルシャッターセンサーを搭載した Blackfly S USB3:モノクロ、カラー
- IMX530 24.5 MP (35 fps) グローバルシャッターセンサーを搭載した Oryx 10GigE モノクロ、カラー
- IMX540 24.5 MP (7 fps) グローバルシャッターセンサーを搭載した Blackfly S GigE モノクロ、カラー
ソニー Pregius センサーのラインナップおよび詳細は、こちらのページをご覧ください。
Pregius S センサーは、コンパクトでありながら撮像性能を犠牲にすることなく高解像度を得ることができるため、システムコストを削減し、スループットを向上させます。
1. より高い解像度をよりシンプルに
Pregius Sの最初のセンサーである24.5MP IMX530 / IMX540は、複数の低解像度のカメラを置き換えることができ、システムの複雑さとコストを最小限に抑えることができます。
2. 優れた画像性能をより低価格で
新たに 2.74 µmのピクセルサイズを実現した Pregius S センサーは、初期の Pregius シリーズの約 2 倍の画素密度を可能にしました。そのため、フットプリントがより小さくなり、小型で低額な光学系を利用できるようになったことで、24.5 メガピクセルのグローバルシャッター CMOS センサーをコンパクトなキューブ型に納め、他社に負けない低価格でご提供できるようになったのです。
図2. 世代の異なる Sony Pregius センサーの画素サイズの違い
最新の画素設計により、小型のCマウントレンズを 4/3 型以下のセンサーに使用した際に生じる、レンズシェーディング (周辺減光) が大幅に低減しました”。裏面照射型センサーは高角度の入射光も取り込むことができるため、低コストな光学系であっても、より画質の良い画像撮影を可能にします。Pregius S は、小型レンズを大型高解像度センサーに、画質を落とさず使用することを可能にした技術です。
図3. IMX253 PregiusセンサーとIMX530 / IMX540 Pregius Sセンサーを比較すると、画素密度の面で向上されています。
図4. 1.1 IMX253 Pregiusセンサーにコンパクトレンズを装着した場合と、4/3 IMX530 / IMX540 Pregius Sセンサーに同じレンズを装着した場合のシェーディングの比較。
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3. スループットの向上
グローバルシャッター (同時露光一括読み出し) なら、動きの速い被写体も歪み無く撮影することができます。感度が高いことで露光時間が短くなりスループットが向上するので、高速で稼働する製造ライン上の物体の分析や検査にかかる時間も短縮されます。
4. 照明コストの削減
図5. Sony Pregius Sセンサーは、前世代のPregiusの低グローバルシャッターリードアウトと低リードノイズに加え、STARVISの高量子効率と画素密度を兼ね備えています。
Pregius S センサーは、強力な照明を必要としない短時間露光を可能にしています。例えば、IMX530 / IMX540は、旧世代のグローバルシャッターセンサーの65%に対し、71.5%という優れた量子効率を実現しています。今回の性能のアップグレードに際し、妥協点は一切ありません。新しい裏面照射構造が、Pregius センサーに求められる低ノイズ・高画質を引き続き可能にしているのです。
図6. BSI IMX530 / IMX540は、IMX250の方が画素数が大きいにもかかわらず、前面照射型 IMX250よりもピークQEが高くなっています。
図7 Pregius Sは低レベルの読み出しノイズを維持しています。
ソニーは、グローバルシャッターの読み出し方式と Pregius センサーの低ノイズ、そして STARVIS の高量子効率・高画素密度を合体させることで、CMOS イメージセンサーの新たな性能水準を生み出したのです。
アプリケーション別メリット
アプリケーション |
Pregius 世代 |
機能 |
利点 |
生物医学、顕微鏡 |
第3世代Pregius |
高量子効率、低い絶対感度閾値 (= 感度が非常に良い) |
弱光環境で感度が最大限高まり、弱い信号もしっかり検出 |
半導体プロセス制御 |
第3世代 Pregius および Pregius S |
高画素密度、近赤外分光 (NIR) 性能 |
表面より更に下層にある微細な欠陥も検出 |
計測 |
Pregius S |
高画素密度 |
大型の物体を正確に測定 |
ベンチトップまたは携帯型機器 |
Pregius S |
高画素密度、極小レンズへの高い許容性 |
より小型で軽い本体デザインを可能に |